TCFDに基づく情報開示

「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言について

環境や気候変動に関するテーマを重要な課題と考え、2022年2月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明すると共に、TCFDの効果的な情報開示や適切な取り組みについて、賛同企業や金融機関等が議論を行うTCFDコンソーシアムに参画しました。
気候変動におけるリスクと機会を把握した上で、社内外の知見を生かしながら引き続き有効な対策を推進すると共に、TCFDの提言に沿った情報開示を積極的に進めています。

  • 気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures):各国の中央銀行・金融当局や国際機関が参加する金融安定理事会(FSB)が2015年に設立した、気候変動が経営に及ぼす影響の試算や情報開示のあり方について考えるタスクフォース。企業等に対し、気候変動関連リスクおよび機会に関する情報開示を推奨。

1.ガバナンス

当社はサステナビリティを重要なテーマとして捉え、2021年3月にESG経営宣言を制定しました。さらにマテリアリティの一つとして「気候変動の対応」を掲げ、その目標や削減活動は、全社員に展開され推進されています。
また、ESG経営を推進するため、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会が月次開催されています。同委員会は、気候変動に関する課題に対し、サステナビリティ担当役員、各本部長および本社・グローバル拠点の各部門から任命されるサステナビリティ推進責任者出席のもと、課題認識、方針・施策を審議・決定し、進捗状況を共有・モニタリングするものです。
取締役会は、経営課題に関わるTCFDの賛同表明・情報開示、削減目標および施策等を審議・決定しています。また、同委員会の審議状況や進捗状況に関し、定期的もしくは必要に応じて報告を受け、当該業務執行状況を監督する役割を果たします。

2.戦略

TCFD提言が提唱するフレームワークに基づいて、2030年時点の外部環境の変化を検討し、気候変動が当社に与える影響を分析しました。リスク・機会の分析にあたっては1.5℃と4℃シナリオを採用し、移行リスクに関しては気候変動の緩和に向け、政策や市場がどのように移行するかを考えました。また、物理的リスクに関しては、気候変動に伴う気象災害の頻度や影響がどのように変化するかを分析しました。
特定したリスクおよび機会の対応については中期事業計画へ展開すると共に、今後は自社への財務的な影響についても検討を進めます。また、インパクトの大きい一部の車載関連事業を対象に分析を行っていますが、対象外となった事業も含めて、引き続き分析を進めます。

気候変動リスクと機会に関する事業影響

  • 対象事業:当社の主要事業である車載ビジネスが対象
  • 事業活動への影響度:「大」「中」「小」の3段階で評価

[使用したシナリオ]

移行リスク: International Energy Agency(IEA)(※1

  • World Energy Outlook 2022: APS (※2 、STEPS (※3
  • Net Zero Emissions by 2050 Scenario (※4

物理的リスク: Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC) (※5

  • 第6次報告書:SSP1-1.9、SSP5-8.5 (※6
  1. ※1IEA/International Energy Agency:国際エネルギー機関
  2. ※2APS/Announced Pledges Scenario:表明公約シナリオ
  3. ※3STEPS/Stated Policies Scenario:公表政策シナリオ
  4. ※4NZE/Net Zero Emissions by 2050 Scenario :2050年ネットゼロ排出シナリオ
  5. ※5IPCC/Intergovernmental Panel on Climate Change: 気候変動に関する政府間パネル
  6. ※6SSP/Shared socioeconomic pathways:共通社会経済経路

3.リスク管理

経営に支障をきたす可能性のあるリスクに迅速かつ的確に対処するため、代表取締役社長を委員長とするリスク・危機管理委員会を設置しています。これにより、全社的なリスクの評価、管理、対策立案とその実行を行っています。
特に気候変動に関連するリスクについては、同委員会の総合リスク評価においてこれをトップリスクの一つとして位置づけ、サステナビリティ委員会がリスクの識別・評価し、対応策を講じる等、実効性を高めています。
当該リスク管理、対応策の状況等については、取締役会においても情報共有が行われ、全社のリスク・危機管理について監督およびモニタリングを実施すると共に、リスク評価とマテリアリティ分析の整合性を図ることで、全社における総合的リスク管理の強化を進めています。

4.目標と指標

2021年にCO2排出量削減目標の見直しを行い、中期ではScope1、2で2030年までに2018年度比50%削減、Scope3で2030年までに2018年度比15%削減、長期では2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指す目標を掲げ、削減に向けた活動を推進しています。

これらの目標を達成すべく、CO2削減アクションプログラム【Ver.2025】を策定しました。当社グループ全体において本社、拠点が一体となり、CO2削減活動を加速させます。

  1. 3具体的な削減施策
    1. 1自社による省電力化(地道活動/革新的活動)
      • 地道活動
         具体的施策:
        • 運用改善:運用、メンテナンス、保温・断熱改善、等
        • 省エネ設備の導入:各設備の改造・更新
      • 革新的活動
         活動内容:
        • 新しい製造方法・設計仕様の研究・導入
      •  具体的施策:
        • 次世代スピーカプロジェクトによる革新的技術開発、等
    2. 2再生可能エネルギー電力の調達
      • 費用対効果を検証のうえ、電力会社からの購入電力を再エネ100%メニューに切替
    3. 3自社による再生エネルギー発電
      • 自社太陽光発電設備の導入
    4. 4グリーン電力証書購入によるオフセット(不足分)
      • 海外工場におけるグリーン電力証書の購入
  2. 4具体的なKPI

    各拠点で電力使用量を削減のKPIに設定し、計画的な省エネルギー活動を推進しています。これらの活動を通じて、Scope1、2の2030年度目標(2018年度比50%削減)の確実な達成を目指します。